絵本作家 あべ弘士 講演会・展示会
絵本作家 あべ弘士 講演会・展示会
「絵本と自然:アムール川でカワウソを見て感動したあべ弘士先生」
11月26日 17:00~
第16回国際知的図書展「non/fiction」内 文学カフェ(クリムスキー・ヴァール、10)
自分の絵本を読んだ子どもたちが動物を好きに、そして地球にはいろんな生き物がたくさんいることにも気づいて欲しい。そうすると偉大な自然を愛するようになってくれるよね、というあべ先生。自然の中でに生きる動物たちに出合うと、動物園とは違う動物の姿を知ることがたくさんあるという。だから興味のある動物は世界中どこでも見に行きたいという思いが止められない。
カワウソも、動物園で長年世話をしていた大好きな動物で、絵本を描きたいけれど、やっぱり野生のカワウソを見ないと描けないと思っていた。念願かなって、ロシアのアムール川を訪れそこで出会ったときには本当に感動したそうだ。そして、旭川在住の絵本作家であるからこそ、雪や寒さの持つ独特の世界、その素晴らしさを絵本で表現したいとあべ先生は言う。
そんな、あべ先生の動物と自然の触れ合いから生まれる、「絵本」について、動物園と北海道、そしてロシアとの関わりから語ってもらう講演。
あべ弘士
1948年北海道に生まれ。1972年から旭川市の旭山動物園に25年間、飼育係として勤務。飼育員の経験や知識から生まれた自然や動物の絵本が、多くの子どもたちに愛されている。また、野生の動物との触れ合いを求め、自然が溢れるロシアのアムール川など世界中を旅する動物絵本作家。
絵本「新世界へ」イラスト展示会
11月12~20日
国際交流基金モスクワ日本文化センター・レクチャールーム
日本に関心のある方に、あべ弘士先生の絵本の世界を紹介いたします。
11月26日~
国立外国文献図書館児童ホール
10点前後をセレクトし、児童部で引き続き展示予定です。
『新世界へ』
あべ弘士/作 偕成社/刊
カオジロガンの親子が、北極のスバールバル諸島を旅立ち、越冬地まで3,000キロ以上もの旅をする様子を描いた絵本。親子はアザラシや北極グマやトナカイを眼下に見て、星の中を飛び、波を超えて、ウミガラスに追い抜かされ、その生息地を後にしながら飛び続け、約1カ月をかけて約束の地にたどりつく。広大な氷の大地、空、海の中を、ガンの親子が連なって飛んでいく姿は、命の連なりを感じさせる。著者の北極への旅の経験を元に描いた作品。
<IBBYオナーリストー『新世界へ』>
子どもの本を通じて国際理解を図り多文化社会への取り組みを行う、世界70数カ国が加盟する団体IBBY(国際児童図書評議会)は、2年に一度、各国支部が自国の良書を文学作品、イラストレーション作品、翻訳作品の3つの分野からそれぞれ1冊をセレクトし、それを「IBBY HONOUR LIST」というブックリストにまとめ発表しています。
出版事情も異なるため全支部からのブックリストではありませんが、1956年の12カ国15冊から、2012年は、58カ国から44言語169冊の本が「IBBY HONOUR LIST2012」に収められました。
あべ弘士さんは、この「IBBY HONOUR LIST 2014」の絵本部門で、世界の子どもたちに読んで欲しい作品として『新世界へ』が選ばれました。
この『新世界へ』は、2011年6月に、あべさんが仲間とともにヨットで約1カ月、北極圏に浮かぶスヴァールバル諸島(ノルウェー)に滞在した経験をもとに、2012年11月に偕成社から出版された絵本です。冬の厳しさの中で、懸命に生きる動物たちの感動的な姿が描かれたこの絵本は、同様に厳しい冬を生きるロシアの子どもたちにも共感できる1冊です。