第17回国際知的図書展non/fictionへの参加
国際交流基金と出版文化国際交流会(PACE)が共同で日本ブースを出展し、漫画から文学、雑誌にいたるまで最新の日本の出版文化を紹介します。また、本年芥川賞を受賞された小野正嗣さんの講演会を実施します。
【日程】11月25日(水)~11月29日(日)
【場所】中央芸術家会館 (クルィムスキー・ヴァール, 10)
【入場料】図書展全体の入場チケットをチケット売り場でご購入ください。
【国際交流基金ブース】A-16(2階、セミナーゾーン№1の隣)
【文学イベント】
小野正嗣講演会 (司会:アレクサンドル・チャンツェフ)
日時:11月25日(水) 17:00-19:00
場所:図書展内文学カフェ(Литературное кафе)(2階)
テーマ: 「地方を描く文学-芥川賞受賞作品『九年前の祈り』」
概要:僕は自分の故郷、九州の大分県南部の海辺の土地を舞台にした小説を書いてきました。しかし、それは近代的な都市生活が喪失したとされるもの(美しい自然や濃密な人間関係など)を田舎に見いだそうとする文学的エキゾチスムとは異なるものです。
そもそも、どんなに辺境に位置する土地であっても、決して閉じられているわけではなく、さまざまな経路を通じて、外部世界とつながっているものです。
芥川賞を受賞した『九年前の祈り』を中心に、自作のいくつかを例にあげながら、現在の日本で、片田舎の小さな土地の物語を書くことの必要性と重要性について考えてみたいと思います。
【小野正嗣プロフィール】
1970年、大分県蒲江町(現佐伯市)生まれ。作家、フランス文学者、立教大学准教授。01年『水に埋もれる墓』で第12回朝日新人文学賞受賞。02年『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日文庫)で第15回三島由紀夫賞受賞。同年、第一回東京大学総長賞受賞。2013年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。15年『九年前の祈り』(講談社)で第152回芥川賞受賞。主な著書に『マイクロバス』(新潮社)、『浦からマグノリアの庭へ』(白水社)、『夜よりも大きい』(リトルモア)、『残された者たち』(集英社文庫)、『水死人の帰還』(文藝春秋)、『獅子渡り鼻』(講談社文庫)など。訳書にマリー・ンディアイ『ロジー・カルプ』(早川書房)など。