芥川賞作家・小野正嗣講演会
第17回国際知的図書見本市non/fictionへの参加のため、本年芥川賞を受賞した作家の小野正嗣さんがモスクワを訪問し、講演会を実施します。
テーマ: 「地方を描く文学-芥川賞受賞作品『九年前の祈り』」
概要:僕は自分の故郷、九州の大分県南部の海辺の土地を舞台にした小説を書いてきました。しかし、それは近代的な都市生活が喪失したとされるもの(美しい自然や濃密な人間関係など)を田舎に見いだそうとする文学的エキゾチスムとは異なるものです。
そもそも、どんなに辺境に位置する土地であっても、決して閉じられているわけではなく、さまざまな経路を通じて、外部世界とつながっているものです。
芥川賞を受賞した『九年前の祈り』を中心に、自作のいくつかを例にあげながら、現在の日本で、片田舎の小さな土地の物語を書くことの必要性と重要性について考えてみたいと思います。
11月25日(水) 17:00-19:00
【司会】アレクサンドル・チャンツェフ(文芸評論家)
【場所】中央芸術家会館 (クルィムスキー・ヴァール, 10)
第17回国際知的図書見本市「non/ficiton」内文学カフェにて(2階)
※図書展の入場券が必要です。
11月26日(木) 15:50-17:20
【司会】アレクサンドル・メシェリャコフ(ロシア国立人文大学教授)
【場所】ロシア国立人文大学 、255番教室(チェヤノフ通り、15)
РГГУ, главный корпус, аудитория 390 (ул.Чаянова, д.15)
【登録】11月21日(土)までに、下記までお電話でお申し込みください。
当日は、身分証明書を必ずご持参ください。
8(495)626-55-83/85
【小野正嗣プロフィール】
1970年、大分県蒲江町(現佐伯市)生まれ。作家、フランス文学者、立教大学准教授。01年『水に埋もれる墓』で第12回朝日新人文学賞受賞。02年『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日文庫)で第15回三島由紀夫賞受賞。同年、第一回東京大学総長賞受賞。2013年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。15年『九年前の祈り』(講談社)で第152回芥川賞受賞。主な著書に『マイクロバス』(新潮社)、『浦からマグノリアの庭へ』(白水社)、『夜よりも大きい』(リトルモア)、『残された者たち』(集英社文庫)、『水死人の帰還』(文藝春秋)、『獅子渡り鼻』(講談社文庫)など。訳書にマリー・ンディアイ『ロジー・カルプ』(早川書房)など。
お問い合わせ先:8(495)626-55-83/85