Japanese Film Festival
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23 октября 2013 г.

日本理解講座シリーズ(11月)

 

11月15日から12月8日まで「日本の秋」のプログラムとして、国立東洋美術館で開催される「源氏物語展」の作者、版画家の宮山広明氏による講義を実施します。

 

 【日時】11月18日(月)18:00

【場所】国際交流基金モスクワ日本文化センター

【講師】宮山広明(みややま ひろあき)

【テーマ】日本の美とは何か

【講義概要】

1.日本画の誕生

2.近代と日本

3.近代以前の絵画

4.日本の美とは

 

 日本の伝統的な絵画は日本画だと思われているが、じつはそれは明治に近代の価値観を背負った洋画が入ってきたために、洋画に対抗するものとして生まれたものである。

 日本画は、旧来の日本の美術を守るために洋画と同じ体裁を取る、つまり額縁に入れて美術館の壁に展示するというものであり、それは近代の価値観を受け入れるということであった。

近代以前の日本の日本画ではない絵画は、調度品であり、文化が爛熟していた江戸時代は、すべての実用品は装飾品でもあり、工芸品には、実用を離れて装飾品としての意味合いのほうがはるかに大きくなっていたものがいくつもある。絵画も、屏風や襖、掛け軸といった実用品としての形体は保っていた。

日本が西洋近代と決定的に違うのは、個性はあるが、日本のアーティストは個性を表現しようとはしないことである。日本人は、個性的であることよりも和を尊ぶことを伝統にしてきた。個性を表現するということは、他人との違いを強調することであり、おうおうにして他者との衝突を招くが、個性を表現しないということは、ケンカにならないということである。

ヨーロッパが始めた近代は、個人を第一に考えるあまり、個性と自由を求めることが重要なテーマと考えている。個性を求めれば、どうしても他人の個性との衝突はさけられない。民主主義が個性と自由を保証しているような錯覚はないだろうか?日本は第二次世界大戦後、民主主義になって60年近くたつが、個性と自由を謳歌している人はほとんどいない。しかし、彼らが求めるのは他との共存と個の充実である。ここで言う他とは個をとりまく自然と人間両方であり、個性を追求することが自由とぶつかるのと対照的に、他との共存は個の充実を導く。

近代が割り込んでくるまでの日本は、約1000年をかけてこの道を歩んできた。平安時代は貴族の中だけで達成できていたものが、江戸時代にはふつうの庶民が達成できるようになった。

日本の美のありかたは、世界を救うことになるだろう。

 

【宮山広明氏プロフィール】                                           

1955年   東京生まれ

1979 年  筑波大学大学院修士課程修了

1989-90年 文化庁派遣芸術家在外研修員(アメリカ,ベルギー)

1997年から台湾、ベルギー、リトアニアなどでマスタークラスを行う。

2007年 ノヴォシビルスク国際グラフィック・ビエンナーレで審査員(ロシア)を務める。

2012年   ノヴォシビルスク国際グラフィック・トリエンナーレ日本ルーム・キューレーターを務める

1985年から現在まで、個展を開催、国際ビエンナーレや日本国内、ニューヨーク、フランス、イタリア、オランダ、ポーランド、ベルギー、ポルトガル、チェコ、ロシアなど海外での交流展に参加する。

作品は、アメリカ、ロシア(プーシキン美術館、モスクワ東洋美術館、ノヴォシビルスク国立美術館)、ベルギー、台湾、中国などの美術館に所蔵されている。

現在は、版画工房うつしの主宰、 プリントザウルス国際版画交流協会の代表であり、千葉県立松戸高等学校芸術科で教鞭を取る。

 

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